これは、ある男に突如として降りかかった厄災、
そして、
その闘いの記録を後世に残すための物語である。
ぶっちゃけ、出オチだよね
まあ、、、ね?
どんだけちゃんと読んでも、「はいはい、どうせこいつ最終的には片玉になるんでしょ」って感じじゃん?
こんなん出オチ100%じゃん
酷い言われよう…
何事も過程が大事っていうじゃない
それにこの話が役に立つ日が来るかもしれないよ?
でも、役立つ日が来たらまずくない?
確かに…
ま、まあ暇つぶしにはなるしね!
てなわけで!
僕の玉が一つになる話でーーす!!!
張り切って、どうぞ~!
ほらやっぱり出オチじゃん…
でかくね?
ことの初めは2021年12月末。
その日、いつもどおり浴室で体を洗っている時、ある異変に気づいた。
「左の玉でかくね?」
そう、俺の佐介は腫れていた。
親の俺から見ても見分けがつかないほどそっくりだった佑介と佐介だが、お前だけ精神と時の部屋で修行してきたのかと言いたくなるほど佐介は成長していた。
これにはセルもビックリである。
(実際どんなもんかと言えば、右がミニトマトぐらいに対して左は少し小さめの鶏卵ぐらい)
とりあえず湯船につかりながら、「睾丸 腫れ」とググり、情報を集めることにした。
調べた結果、腫れる原因は様々あることが分かった。候補として「精巣上体炎」、「精巣捻転」あたりではないかと考えた。
ただこの2つは症状として腫れと共に激痛もあると書かれているが、別に痛みはなく、この点は当てはまらない。加えて多くは発熱を伴うとのことからも可能性は低い。
現状の異変としては左の睾丸の腫れと若干の腹痛のみであった。
となると、とりあえず今晩は様子を見て、明日の退社後に近くの泌尿器科へ行けばいいかと脳内会議を決着させ風呂から上がった。
しかし、先程グーグル先生から授かった“ある情報“が頭から離れず悶々としていた。
可能性は低いが先程候補から外した精巣捻転であった場合、
発症から6~12時間経過すると精巣が壊死するというのである。
いやいやいや、そんなあっさり死なれたら困るわ。
こんな簡単に死なれたら残された達也に「ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで…」と言われちゃうよ。
それに泣いてくれる南ちゃんも俺にはいないし…。
まあとにかく、精巣捻転の疑いがある場合は救急車を呼ぶべきらしい。
和也、もとい佐介を犬死させるわけにはいかないが、9割5分精巣捻転ではないと思う。ほぼ確実に杞憂で終わるようなことで救急車を呼ぶのもなぁと俺はどうしたものかと全裸で悩んでいた。
その時、あることを思い出した。
はっ!たしか、こういう判断に迷った時かけられる電話があったはず。
助けて〜、ググえも〜ん。
「はい、緊急安心センター事業(#7119)〜」(大山ドラ風)
以下、総務省消防庁ホームページから引用。
♯7119に寄せられた相談は、医師、看護師、トレーニングを受けた相談員等が電話口で症状などを聞き取り、「緊急性のある症状か」や「すぐに病院を受診する必要性があるか」等を判断します。相談内容から緊急性が高いと判断された場合は、迅速な救急出動につなぎ、緊急性が高くないと判断された場合は、受診可能な医療機関や受診のタイミングについてアドバイスを行います。
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
さすがだ、ググえもん。
とりあえずかけてみるか〜と思いながらホームページをさらに下へスクロールしていると「#7119実施エリア」という項目が現れた。
そこには全国の実施センターや電話番号などをまとめた表形式の一覧と、実施地域を赤色で塗った日本地図が添付されていた。
そしてどう見ても俺が住んでいる場所は実施していない。
「ねえ?待って!???は?無理。実施してないエリアとかあんの?」
これにはたまらず、ツイッターに生息する限界オタクの伝家の宝刀、「ねえ?待って」が出てしまった。
今の抜刀は天翔龍閃より速かった…。飛天御剣流に加えてもらおうかな。
ていうか実施している地域の方が圧倒的に少ない。
チーバくんなんて普段は真っ赤なのに、見てくれ。真っ白だ。貧血?
いい案だと思ったんだけどなぁと全裸で落胆。寒くなってきたので服を着た。
再びスマホを手に取り、所々赤く塗られた日本地図を改めて確認してみた。
なるほど、なるほど。東京、埼玉、大阪、福岡などなど人口の多いところで実施してるのね。関東でも千葉は未実施だし、神奈川でさえ一部地域だけなのに、埼玉は24時間全域で実施してるなんてやるじゃないか。海はないくせに。
お、待てよ。俺の実家は埼玉の片田舎にある。
ほぼ群馬みたいなとこだけど、一応埼玉は埼玉。腫れてるのは金玉。
…見えたっ、勝ち筋が!
俺から実家、実家からセンターへ。2手で相手の玉は詰みだ!!!!
いや、王手かけられてるのは俺の玉だけど。
しかし、実家を挟むということはつまり、家族に玉が腫れたことを伝えなければならない。
それは流石に恥ずかしいなぁ…
な〜んて思うことなく母に即電。
そんな思春期の様な羞恥心など、20歳を迎えたころから髪と一緒に消え去ったわ!
さっそく母に現状を報告し、7119にかけてもらった。こういう時、「月曜から夜更かし」を観て、一緒に下ネタでゲラゲラ笑える関係性を構築していると役に立つ。
だってほら、ウチとママってぇ〜、親娘っていうより友だちって感じぢゃん?あ、もしもしママ?玉がはれててぇ〜、うん、そう、まぢウケる
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